O先生の質問:
本日来た症例で、悩んだものがあるので、先生のお考えを教えて下さい。
10歳の男の子、サッカークラブに入っていて、毎日トレーニングで走っていて、踵の骨端線の痛みを訴えております。案の定、そこのすり減ったぼろぼろの靴なので(サッカーと兼用とのこと)、とりあえず靴を買い換え、踵の痛みを見ながらスポーツするよう指導しました。
本日(3日後)お母さんが来られていつになったら治りますか?とのこと、成長期の痛みなので、痛みを見ながらしか仕方がないと答えました。
お子さんは、サッカー以外も走り回っていて、じっとするとストレスが貯まるそうで困ったとのこと。インソールを作ったりしても、すぐ大きくなるし、困ったとのこと。
オスグッドや野球肘なども、どこまで安静にするのか、線引きがとっても難しいと感じています。
私のお答え:
10歳の踵骨骨端症ですね。
スポーツ障害の場合、大人も含め、練習で壊します。
本番で壊すことはない。一般の外傷の場合は別として。
従って練習量を減らします。
骨端症の場合、成長軟骨での疲労骨折と考えてよいと思います。
軟骨の癒合にどれだけかかるか?
運動に耐えるには3週と考えます。
それまで走る、ジャンプは禁止で、それ以外の練習は許可します。
ボールのハンドリング、ドリブル、走る選手を見る、など。水泳、エアロバイクは可。
間に本番(試合)が入った時は、可能なら、本番だけ出てもいいということもあります。
骨折治癒促進用の超音波、アクセラスも有効です。
週2-3回の通院でも、疲労骨折で使用していると、回復は早くなるようです。
踵骨骨端症は、アキレス腱が硬いこと、先生のおっしゃるように、床が硬いことも誘引になると思います。
インソール、ストレッチがそれぞれ重要。
3週で叩打痛がなければ、徐々にjog開始です。
早くて4週で復帰。
あとは人により、6-8週かかることもあります。
また足関節の筋トレ 私は非荷重でさせます。
骨端症も、疲労骨折も、触診(圧痛、握雪感)や叩打痛、熱感で早期診断するので、教科書より、安静期間は短く治せます。
4週ごとにレントゲンを撮ると、骨端核の骨折の癒合が観察できます。