この道30年!古くて新しい腰痛の保存的治療
腰痛の保存療法を深めたい整形外科研修医、専攻医、開業医,背椎外科医のために
Kindle書籍を出版しました。
腰痛は整形外科の中で最も患者が多く、整形外科医にとって最も基本的な問題といえます。
私は1994年に開業以来、腰痛の問題に取り組んできました。その間、多くのエビデンスを知り、腰痛の診断治療において多くの知識、経験が積み重ねられてきました。
そのことを仲間である、あるいはこれから仲間になる方々に共有していただければ、と思い、現時点での私の現状、情報を伝えたいと考えました。
医師になり40年、開業後30年の経験を積んだ整形外科医が、これからの整形外科医のために書いた内容です。
整形外科専門医を目指す人はもちろん、脊椎外科医にも読んでほしいと考えます。
古くて新しい、とは、
腰痛診断のポイントは、原因動作の追求であること。
新しい慢性頭痛治療薬よりも、漢方を含めた古い薬が有用であるということ。
圧痛検索を中心とした、古典的身体診察が重要であるということ。
エコー下ファシアリリース
新しい運動療法の提案
です。
脊椎外科医、勤務整形外科医は腰痛の保存療法を究めているのか?
失礼ながら、否、でしょう。
というのは、手術をされる方は、手術への診断、技術習得に時間が必要です。新しい技術や器具への対応も必要でしょう。
なので、保存的治療への関心、努力がどうしても不足することになるからです。
狭い領域の専門医になればなるほど、その傾向に陥ります。
マインドとしては画像診断から手術手技 という論理が優先され、画像診断から手術の対象となる局所に目がいって、それ以外の部位の検討と治療が不足します。
手術は局所治療なので、患者全体をみることが、ここでも不足がちになります。
また、開業医を目指す人にとっても、経験を積んだ開業医の腰痛治療の情報は、もちろん役に立ちます。本書の内容を知ることで、腰痛診療レベルはあがり、患者さんに信頼される医療機関になれます。
また、すでに経験のある開業医で向上心のある人にも、必ず、参考になる部分はあると確信しています。
非医師の治療家にとっても、整形外科医は何を考え、何をしているのか、どこまでできるのかがわかり、参考にできる部分が実はあります。
この本には、エビデンスを知り、玉石混交のエビデンスの中からから選択した、私の40年の整形外科の診療経験、腰痛治療研究からのエッセンスが書かれています。
2023年現在、よくみるところの、湿布、四つ這い姿勢になる筋トレ、最近の慢性疼痛治療薬では腰痛を治せないと考えています。
また、手術は保存療法を尽くしてから行っていただきたいと考えます。
脊椎外科医は、保存療法を知らずに(極めずに)、手術を勧めないで欲しい。
この本を読むことで、保存的治療を尽くすというのはどういうことか、がわかり、多くの治療手段を知ることができ、治療の選択肢が広がります。自分の腰痛診療に自信が持てます。そして、多くの患者さんを救えます。