長軸像と短軸像での観察、
整形内科研究会にお世話になり、2016. 8から全例エコー使用してリリースしています。
エコーガイド下の注射時は、2つの要素、プローブの当て方( 長軸か横断か)とプローブに対する針の向き(平行か交差か) の2要素があると思います。
長軸像と横断像の観察診断と注射は観点が違うと思います。
観察においては、横断像は、 圧痛点の責任部位を探すスクリーニングに良い。高輝度で厚い所。
さらにドップラーで血管=神経の存在、増生血管の有無を見る。
長軸像は、目的物=腱や神経の形態を見る。
腱鞘炎における腱、 絞扼性神経障害での神経、 靭帯損傷での靭帯。 細長いものの形態を長軸で見たい時に長軸像の観察を行う。 対象が限定された後の精査と言えます。
もちろん横断像も3次元的観察として精査にも使えます。
注射時は、針の経路と構造物の関係も重要になる。目的物、 さらに周囲構造物の見やすさが長軸か横断かを選ぶ根拠となる。
また、注射では交差法はプローブの中心、 圧痛点への距離が短いメリットがある。
平行法はプローブの端から針出現し、 プローブ中央直下までの距離が長い。 あるいは端に注視して端からリリースしていくので、 観察しにくい。
従って、個人的には、 今まで交差法メインでリリースしてきました。 平行法でも確認して、追加リリースする。
ドップラーで血管の存在、血管増生を目安に
交差法、平行法、 両者を用いて確実に重積をリリースしていきます。
針先コントロールができれば 長軸を観察、 斜め、例えば45度からから刺入することも可能です。 交差法の変法。
さらに、視覚だけでなく針の感触で組織の硬さ、 ファシアの軋みも参考になります。
両者の容易さの比較ですが
平行法はビームの細さと針の細さから
3次元的刺入角度の調整が要求されます。
交差法は広い面のどこかで針先が100%出現すること、 液体注入しながら見ていくと、 液体や軟部の動きでおよその位置を確認できる点で
アバウトですが、平行法より容易と言えます。
ですから、結論としては交差法が容易と考えます。
整形内科研究会のリーダーの木村先生の動画でも交差法が多かった と思います。
初心者にも。
しかし両者の練習は必要であることはもちろんです。
交差法優位の具体的局面としては
手根管
胸鎖乳突筋
膝窩 鼠蹊部
血管を横断像で直交して見たい
回外筋 橈骨神経
神経は横断像で長軸方向にプローブ動かして確認。 長軸像で部位確定。横断像で交差法で注射。
関節裂隙
裂隙に直行して観察。
交差法が裂隙中央には注射しやすい。