何年も解決しない腰痛、数カ所の医療機関でも治らない腰痛、3ヶ月以上治らない腰痛へのアプローチ。
診断ではまず
レッドフラッグの除外が必要です。
痛みによる睡眠障害の有無のチェック。これも重要。
痛みを生む日常生活動作は?これが治療のキーポイントです。
さらに
ストレス要因はないか?
怒り 自責 他責の傾向は?
メンタル うつ 神経症 更年期障害をチェック
今までの治療歴も検討します。多くの場合、診断治療が不十分です。
身体診察では
腰の運動時痛、具体的には座位と立位での屈伸、側屈、回旋。
ベッド上で股関節の他動運動時の腰痛、殿部痛、鼠蹊部痛をみます。
次に局所圧痛、トリガーポイントを探索します。
仰臥位で鼠蹊部、
側臥位で股関節90度屈曲位で殿部。
伏臥位で背部から腰、殿部、
画像診断では
先天的要因
加齢変化では、生活習慣、使いかたと人生を読み取ります。
男性45歳の方の例では
診察40分 問診含めると1時間近くかかりました。極端な例ですが、
1年前には急性腰痛で1日だけ当院受診。他院受診中でした。
他院に通院を続け、現在は腰椎神経根症ですが、慢性腰痛 痛覚過敏 線維筋痛症といってよい状態です。
派遣会社とのストレス、身体労働であること、医師との書類作成をめぐるトラブルが背景にあります。
傷病手当書類記載の希望があり、疾病利得もありそうです。
このような点も要チェックです。
要は、腰痛はそんなに簡単ではないということです。
熟練していると自負していますが、
簡単な問診、画像診断と薬、といった手段では腰痛解決にはほど遠いのが事実です。そしてすぐに最近の慢性疼痛治療薬に走る。それでは治りません。
慢性腰痛の最初の治療は
身体の使い方で誤用をやめることです。
アレクサンダー・テクニークの研究が役立ちます。
慢性疼痛への鎮痛には、脳の機能異常の是正が必要で、
散歩の勧めをします。体力の回復、脳への刺激、
痛み日記を書いてもらいます。そこから認知の誤り、
おそらく、ここまでで1ヶ月程度。
次に
疼痛部位のストレッチ
次に
軽い筋トレという手順です。
内服薬剤について
炎症にはNSAID
炎症があるのか、
神経痛 睡眠障害 には漢方とノイロトロピンを基本とします。
カロナールを必要に応じて。
さらにランドセン、トリプタノール。
リリカ以降の高価な薬は使いません。
それらに対して痛みや痺れに対して、
リリカ以降の薬で治らない方が、ほぼ全員改善します。
基本的にVASで2週経過で半減を目指します。
4週あるいはそれ以上経過して、残ったトリガーがあれば
局所への超音波あるいは経皮的電気刺激を行います。
白石吉彦先生の外来超音波診療 p52-78腰痛 が良くまとまっています。
結局、